カクテルの美味しさを判断する指標は、何でしょう?
最初は、間違いなく、何かと比べて、美味しいか、どうか?で、判断します。つまり、相対的な判断です。
そして、さまざまなカクテルを飲み、自分でも作れるようになると、絶対的な指標を求めるようになる事があります。
その試みとして、何かのコンテストに参加する事もあるでしょう。また、有名な老舗バーのバーテンダーに、答えを求めるようになるかもしれません。あるいは、これだ!といえるカクテルを、探し求めて、さまようかもしれません。
でも、結局、絶対的なカクテルの味!など、見つからないのです。味わいは、飲む場所や、一緒にいる人など、周りの環境にも左右されます。また、常に、絶対的な味覚を維持できているか?というと、それも不可能です。
もし、カクテルだけ!をみて、判断するにしても、判断する人の価値基準に左右されます。判断する人は、何かと比べて、判断しているに過ぎません。
ですから、必ず、相対的に、どうか?という判断になるのです。もちろん、誰が、飲んでも、まずい味だな~と思うものは、あるかもしれませんが・・・(苦笑)
では、相対的に美味しいカクテルを作るのに必要な事は?
それは、カクテルの味わいを、調整できるか、どうか?という事です。
環境、体調、味覚など、さまざまな要因に対して、味の調整をすることができるか、どうか?そのための知識と技術を磨いているか、どうか?それが、大切な事だと思います。
絶対的な味!を、見つける旅は、迷路に迷い込む旅になります。それより、味を調整できる柔軟性を身につけるべきでしょう。
バーテンダーは、経歴を重ねれば重ねるだけ、最後は、自分の中の指標との戦いになるのです。自分で何一つ、納得できなくなった時、お客様へカクテルを提供することが、できなくなるのだと思います。