カクテルレシピ通りでは、美味しくできない理由は、他の記事でも、何度かお話しました。
それでも、カクテル初心者の方は、コンペなどで、バーテンダーが作るカクテルレシピは、素晴らしく美味しいはず!と、思われる事でしょう。
でも、実際に、そのカクテルレシピ通りでは、いまひとつです。理由は、さまざまな事があります。
まず、プロのバーテンダーの腕前と、初心者の腕前では、同じ分量で作っても、差があります。
カクテルレシピも、細かい分量指定は、していません。
例えば、15ml弱=12~13mlとか、細かい設定です。
さらに、特に、考えて頂きたい点が、あります。それは、コンテストにあわせて、作成してある!というところ。プロのバーテンダーは、臨機応変に対応します。
コンテストで創るカクテルは、いわば、「作品」
でも、実際に、営業しているバーで提供するのは、「商品」
「作品」と「商品」は、根本的に違います。
当然、プロのバーテンダーは、「作品」として仕上げたカクテルを、バーで提供するときには、アレンジします。しかも、そのアレンジは、自分の腕前ならではの部分と、お客様個別の対応を考慮しています。
ですから、美味しくなって当然。コンテストで披露したカクテルレシピそのままで、初心者に、美味しいカクテルは、ちょっと、難しいでしょう。
ですから、コンテストなどで、披露してあるカクテルレシピが美味しくないからといって、そのバーテンダーの器量を判断するのは、早計というものなのです。
カクテルを作る時に、必要な考え方なので、再度、しつこく言いますね。
「そのカクテルは、作品なのか?商品なのか?」
作品であれば、時間も費用も考えず、創り出すことも必要でしょう。しかし、商品として、考えてみると・・・・・当然、そこには、さまざまな制約もあります。
プラス、第一に考えるべきは、お客様のこと。個別対応ができれば、最高です。但し、そこにも、制約が発生する場合もあります。
全てにおいて、バランスが必要ですね。だからといって、手抜きや妥協の産物でいいというわけではありません。
知識・技術の限りを尽くし、さまざまな制約の中でも、最高の商品を創り出すこと。知識・技術からうまれるアイデアに、制限はありません。だからこそ、知識・技術が必要なんですね。
自慢したり、ウンチクを語るためにあるものではありません。さて、あなたが創り出そうとしているのは、作品ですか?商品ですか?